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NHKスペシャル 「マネー・ワールド 資本主義の未来」 1~3集 の感想

マネー・ワールド 資本主義の未来 第1集 世界の成長は続くのか

https://youtu.be/iM6GX36AaZk

 

資本主義は前進し続け、かつてない問題を生み出している。

不況の長期化、グローバル企業の税逃れ、国家と企業の規模の変化、深刻な格差社会・・・。

今までなかった危機と我々は直面している。

爆笑問題の二人のコメントとともに番組は進行していく。

 

結論から言って、とても良かった。

解説は丁寧で、偏るわけでもなく、現状を照らし出すことに徹底していた。

 

以下は感想。

①不況の長期化について

 現在の経済システムを取る限り、今後も不況は続くだろうと思う。また、より危機に対して弱くなっていると思う。

 これまで経済危機にお金を回し、深刻な経済悪化を避けてきた、金融政策はこれ以上深堀りできなくなっている。危機が起きたときに、何かをする手段がない。

 人口は拡大しないし、投資も減り続けている。

 身体は不健康になり、薬は効かなくなっている。

 

②グローバル企業の合法的な課税逃れについて 

 国家を越えて資金を還流させることで、合法的に課税を回避できる。企業は利益を追求する限り、合法的に税金の支払額を小さくする動機がある。

 まず、グローバル企業が租税回避するのは健全かどうなのかを整理する必要があると思う。合法的なのであり、雇用も生んでいる彼らを「悪」として単純に切り分けることはできない。

 しかし、そもそもグローバル企業は、国家のインフラによる便益を受けていると思っていて、彼らの利益の幾分かは、国家の支払った税金によって支えられているのではないか。国家がいなければ、道路も治安も維持できない。この環境で彼らが利益をあげることは出来ないだろうとすると、税負担をただ乗りしていることになるのではないか。そうだとすると、国家の赤字の一因となっていることになる。

 もちろんこれは、企業が悪いというよりは、国家の制度の問題である。ジャック・アタリ氏の言う究極的な制度に賛同するわけではないが、国家を越えた枠組みを作るのが一つの策だろうと思う。また、税制度を国家の中での枠組みでも変更していく必要があると思う。インフラが整った国で活動するのだから、一定の負担を共有し、ルールを守る企業に活動してもらうべきだ、というわけである。

 

③国家と企業規模について

 番組では、国家予算の3分の1にあたる賠償裁判について紹介されていた。

 今後は更にその数は増えるのだとすると、企業の利益追求が、国民の生活よりも優越していく局面が増えていくということである。

 単純に法律で規制すれば、企業はいなくなり、雇用が減っていく。国家が競争させられる時代になってしまっている。この状況が行くところまで行くと、紛争に繋がってしまうのではないか。

 紛争を止めるためには、国家が競争しない方法が必要が出てくるが、これには税逃れを防止するのと同じで、超国家的な取り組みが必要となるのではないか。という不安が出てきてしまった。

 

④深刻な格差社会について

 なかなか格差社会を深刻に捉える番組作りは難しいと思う。なぜなら、スポンサーや政治家は強者の側だからである。

 それにも関わらず、この番組はしっかりと現状を映し出していて素晴らしい。

 格差が問題というより、今後も格差が拡大していくことが問題なのだろうと思う。成長がない中で格差が拡大するということは、深刻な貧困が発生するということだ。

 競争の動機としての格差は必要だが、格差が広がると健全な競争を維持できなくなる、という逆説的な問題を解くことが今後のテーマになるのではないか。 健全な競争が出来なくなると、ただただ不平等が蔓延し、資本家が搾取し続けることになる。

 健全な競争を仕組みとして作るには一定の格差を許容しつつも、社会制度としての所得の再分配が必要となるのではないか。

哀しい結末

 

二階から人が飛び降りた。

なんでも、随分前から、Twitter上で、愚痴をこぼしていたらしい。

何度も考えたりもするのだが、きっと彼女にしてみれば、私の気持ちなんてわからないと思ってしまうのだろう。

東京の不景気を仙台で同時に体験できないように。

でも、仙台の不景気は仙台として経験するけれど。

ともかく、それでもその声は、形になって彼女を守るまでにはいたらず、霧散していった。

何も変わっていないのに、何かが変わっていった。

それまでは何もなかったビー玉も、一度弾みがついて階段を落ち始めたら、もう元には戻らずに加速していく。

そうして彼女は、飛び降りた。

そして、両足で、着地した。

 

首なし怪獣の話

 

その怪獣は、とても大きい。

そして、首が切られても切られても、倒れることはなく、何度となく再生を繰り返した。

取れてしまった首は、そのままどこかに歩いて消えた。

新しい首は、必ず以前の首を非難した。

 

彼はいつも街のために働いていた。

大食漢で、たくさんの食料を彼一人で平らげたが、その分を補ってありあまるほど、公園や道路など、みんなのための施設を作った。

彼はみんなに嫌われていたが、彼はみんなを嫌ってはいなかった。

彼を良く思わない人たちは、食料の量や失敗を見つけてはみんなに広めていた。

その度に彼の首は切られたが、そのたびに首は生え変わった。

彼は淡々と仕事をし続けた。

 

大事なことは、いつも首が決めていた。

特に時間がかかることは、首が決めなければいけなかった。

 

あるとき、彼は、非難された。

大きな時間をかけて作ったものが、役に立たない可能性が出てきたからだ。

そのとき、全てを決めたはずの首はもう、なかった。